季節性アレルギー性鼻炎
季節性アレルギー性鼻炎とは、特定の季節、時期に現れるアレルゲンによって引き起こされるアレルギー性鼻炎のことです。
季節性アレルギー性鼻炎の原因となるアレルゲンは、主に植物の花粉で、季節性アレルギー性鼻炎と言えば花粉症を指す場合が多いです。
花粉症とは
スギやヒノキをはじめとした植物の花粉が原因となり、鼻水・くしゃみ・鼻づまりなどの症状を引き起こすアレルギー疾患です。
2019年に行われた全国疫学調査によると、日本人の約40%近くがスギ花粉症を発症していると報告されています。
花粉症は、国内で約3,000万人が罹患する日本で最も多いアレルギー疾患であり、現在も患者数は増加し続けていると言われています。
季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)の症状
- 透明なさらさらした鼻水
- 連続性のあるくしゃみ
- 長く続く鼻づまり
が主な症状となります。
高熱や咳、喉の痛みなどの症状があれば、風邪やインフルエンザなどのウイルス性の感染症の可能性があります。しかし自分自身で安易な判断はせず、お近くの医療機関に相談するようにしましょう。
東海地方の花粉の飛散カレンダー
花粉症と言えば、毎年2月ごろから飛散し始めるスギ花粉や、スギ花粉の後のシーズンに飛散するヒノキ花粉が有名ですが、花粉症を引き起こすアレルゲンは「スギ花粉」だけではありません。例えば、夏に花粉が飛ぶイネやカモガヤなどのイネ科の植物が原因となったり、秋にはヨモギやブタクサなどのキク科の草木が原因となって花粉症を起こすこともあります。
当院のある愛知県では、通常2月下旬から3月下旬にスギ花粉、3月下旬から4月中旬にヒノキ花粉の飛散量がピークを迎えます。
ただし、年度によっては花粉の飛散時期のピークがずれることもあるので、そろそろ花粉症が飛び始めるなと思ったら早めに対策することが重要です。
季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)の対策
花粉の飛散状況を把握する
花粉症の症状の軽減を行うためには、できるだけ早い段階での対策が大切です。
そのために花粉の飛散が増える時期や、その状況を知ることが必要になります。
また当日の花粉の飛散状況を把握し、花粉の飛散量が多い時には外出を避けるなどの対策を行うことも大切です。
花粉の飛散量は、天気予報や日本気象協会のサイトでもチェックできるので、花粉症シーズンには確認することをおすすめします。
花粉の飛散量が多い日には特に対策をしっかり行い、注意して過ごすことが大切です。
マスクやメガネの着用
外出する際は、マスクやメガネをすることも花粉対策に有効です。
花粉症用のマスクでは花粉が約6分の1、花粉症用のメガネでは4分の1程度に減少するとも言われていますので、マスクもメガネも花粉症用のものを着用することがおすすめです。
- 花粉が付きやすい服を避ける
花粉は、毛糸のセーターなど静電気が発生しやすい服に付きやすいです。
外出をする際は、なるべくポリエステルやナイロンなどの素材を使った表面がツルツルした服や、静電気が起こりにくい服を選ぶようにしましょう。 - 帰宅時には手洗いうがい
外出をすると、花粉は手指や顔に付着します。花粉のついた手で目をこすったりすると、花粉症は悪化してしまいます。
またうがいをすることで、喉に付着した花粉を取り除く効果があるので、帰宅したら手洗いうがいをする習慣をつけることも重要です。 - 家に花粉を入れない
家への花粉の侵入を避けることは非常に大切です。外出時には、着用している衣服に花粉が多く付着します。それらを、家に入る前にしっかりとはたき落とすことで侵入を防ぎましょう。服をはたいても落ちにくい細かい花粉は、粘着ローラー(コロコロ)をかける、掃除機で吸い取るなども効果的です。
詳しくはアレルギー性鼻炎の予防方法のページにも記載していますので、ご参照ください。
季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)の治療方法
- 内服薬・点鼻薬
花粉症の治療としてまず挙げられることは、抗アレルギー薬などの内服薬や点鼻薬を使って、アレルギー症状を和らげることです。アレルギー性鼻炎で処方される内服薬は、症状の種類や重症度によって異なります。
詳しくはアレルギー性鼻炎のお薬比較のページをご参照ください。 - 舌下免疫療法
舌下免疫療法は、体質を整えてスギ花粉に対するアレルギー反応を起こりにくくしていく治療です。①の内服薬や点鼻薬と異なり、スギ花粉症の症状を根本的に起こりにくくする効果が期待できる治療法です。
詳しくは舌下免疫療法のページをご参照ください。 - レーザー治療
鼻のレーザー治療は、鼻粘膜にレーザーを照射し、粘膜を変性させて花粉に反応しにくい状態にする治療です。 花粉症の症状がひどく、予防薬をしっかり使ってもなかなか症状が治まらない方におすすめです。
詳しくはレーザー治療のページをご参照ください。 - 注射療法
花粉症の注射療法にはゾレア®がありますが、ゾレア®は当院では実施しておりませんので、必要に応じて治療可能な病院へ紹介いたします。
詳しくは注射療法のページをご参照ください。