アレルギー性鼻炎専門サイト

アレルギー性鼻炎の合併症

アレルギー性鼻炎によって生じる合併症

アレルギー性鼻炎と関係がある合併症としてよく挙げられるのは、副鼻腔炎や気管支喘息ですが、他にも睡眠時無呼吸症候群や鼻ポリープなども引き起こされることがあります。

鼻から声帯までの上気道と、声帯から下の下気道は密接に関連しており、お互いに影響しあうということから、最近では「One airway, one disease(一つの気道、一つの病気)」という概念が提唱されています。

例えば、「アレルギー性鼻炎」と「気管支喘息」が合併している場合、「気管支喘息」の治療を行うことで「アレルギー性鼻炎」の状態も改善することができると言われています。

副鼻腔炎(蓄膿症)

【画像】副鼻腔炎(蓄膿症)
【画像】副鼻腔炎(蓄膿症)

副鼻腔炎(蓄膿症)は、アレルギー性鼻炎や風邪、虫歯、顔面の怪我などを原因として発症する副鼻腔(鼻の周囲、頬の奥や眼の奥にある骨で囲まれた空洞)の炎症のことです。
この炎症が続くことにより、鼻の粘膜が腫れて、副鼻腔の空洞に膿(うみ)が溜まります。
症状としては頭痛、顔面痛(頬や眉間あたりの痛み)黄色や緑の鼻汁、鼻づまり、においが分からないなどの鼻症状がみられます。
炎症が強い場合は、視力障害や髄膜炎(脳膜炎)を引き起こすケースがあります。
鼻水が喉にまわり、喉の炎症や気管支炎が起こることもあります。

詳しくは当院のホームページでも説明しておりますので、ご参照ください

睡眠時無呼吸症候群(SAS)

アレルギー性鼻炎などをきっかけに鼻づまりや気道の炎症などで、気道が完全に閉塞してしまうと、睡眠時無呼吸症候群となります。
睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に呼吸が数十秒間も止まる発作をひと晩に何十回も繰り返し、そのたびに反復していびきをかくものです。
睡眠時無呼吸症候群になると、眠りが浅くなるほか、睡眠中に脳に酸素が送られにくくなり、脳が十分に休めない状態に陥ってしまいます。
そのためしっかり寝ても疲れが十分に取れず、日中に突然眠気が襲ってくることがあります。
車の運転中や高所での作業中といった場面では、急な眠気によって重大な事故につながることもあります。睡眠時無呼吸症候群は、太りすぎや筋力の衰えなどが原因になることもありますが、アレルギー性鼻炎が原因となることもよくあります。
うまくお薬などを使いながら原因を治療していくことが大切です。
太りすぎなどが原因の場合は、ダイエットやマウスピースの着用も、いびき・無呼吸の解消に効果があります。
また重症度が上がれば、CPAP(シーパップ)療法などが適用される場合もあります。

鼻茸(鼻ポリープ)

鼻茸は、鼻や副鼻腔炎の粘膜が腫れて鼻腔内に垂れ下がった状態のことで、鼻ポリープとも呼ばれます。副鼻腔炎がある方によく見られ、10~20%の方に鼻茸があると考えられています。
アレルギー性鼻炎などをきっかけに炎症が続いて粘膜が破れ、中に水分などが溜まることで徐々に大きくなり、また重力により下向きに成長していき、親指以上の大きさになることもあります。
鼻茸は複数できることもあり、できる場所や大きさによっては鼻の穴から見えることがあります。そして空気の通り道にできるので鼻づまりが起こります。

鼻茸が嗅裂(においを感じる器官)にできると、嗅覚障害が出ることもあります。
また、鼻茸が大きくなって鼻づまりが酷くなると口呼吸になり、弊害として寝づらさや、乾燥による喉の痛み、口臭が気になるなどの症状が出ることもあります。
鼻茸の治療方法としては、手術をして切除することも一つの方法ですが、ステロイドの飲み薬や注射によって小さくなることもあります。
鼻茸の大きさや部位などの状態によって治療方法は変わってきますので、気になる場合はお近くの医療機関に相談するようにしましょう。

気管支喘息

気管支喘息は、空気の通り道である気道が慢性的に炎症を起こして、空気の乾燥やタバコの煙、ホコリやダニといったアレルゲンなど、ちょっとした刺激に反応しやすくなり、咳やたん、呼吸困難などの症状(喘息発作)が現れる病気です。
繰り返し喘息発作が起こることで、気道の周りにある粘膜がむくんだり、平滑筋が厚くなったりすることで気道が狭くなります。

【画像】喘息の女性

気管支喘息は気道が狭くなることで、呼吸時にヒューヒューといった音が聞こえる喘鳴(ぜんめい)や呼吸困難を引き起こすこともあります。
呼吸困難になると、命に関わることもあるため、日ごろから喘息発作を起こさないようにする対策やお薬の使用、喘息発作が起きたときにすぐに対応できるお薬を準備しておくことが大切です。
気管支喘息は、アレルギー性鼻炎と同様にアレルギーの病気の一つに挙げられる病気ですので、アレルゲンを知っておくことも重要です。
アレルゲンの検査をご希望の場合は、お近くの医療機関に相談するようにしましょう。