アレルギー性鼻炎のレーザー治療とは
アレルギー性鼻炎は、鼻の粘膜にアレルギーの原因となる物質(アレルゲン)が付着し、アレルギー反応を起こすことで発症します。
レーザー治療は、鼻の粘膜にレーザーを照射して粘膜の状態を変性させ、アレルゲンへの反応を抑制する治療方法です。
花粉症をはじめとした、アレルギー性鼻炎の症状を改善する効果が期待できます。
当院のアレルギー性鼻炎のレーザー治療の特徴
当院では、炭酸ガスレーザーを使用した治療を行っており、2020年6月1日時点で1,528例のレーザー治療を行ってきました。
また、当院ではレーザー治療のほかに、アレルギー性鼻炎の治療の選択肢として舌下免疫療法を実施していますが、舌下免疫療法の開始時期を逃してしまった方、舌下免疫療法ができない方、妊婦の方などはレーザー治療をおすすめしています。
特に、例年花粉症シーズン前に実施される患者さんが多いことが特徴です。
こんな方におすすめ!アレルギー性鼻炎のレーザー治療
アレルギー性鼻炎のレーザー治療を受けるほとんどの方は、1回の照射で半年以上は効果が継続します。
そのため、特定の季節に症状が出る季節性アレルギー性鼻炎の方であれば、年に1回の治療でそのシーズン中の症状軽減に効果が期待できます。
次のような方々におすすめです
- 一年中アレルギー性鼻炎で悩んでいる方
- 花粉症シーズンがつらくて外に出ることができない方
- お薬を飲んでも花粉症をはじめとしたアレルギー性鼻炎の症状がおさまらない方
- おなかが弱く、お薬をあまり飲めない方
- 職業上の理由で、眠気の副作用があるお薬を飲めない方
- 手っ取り早く症状をなくしたい方
- 受験や就活などを控えている方
- 妊娠中でお薬をなるべく飲みたくない方
レーザー治療の光自体は鼻の粘膜で吸収され、体内には入りませんので、安全性は非常に高いです。また、小学校高学年から60代までの幅広い年齢層の方が受けることができます。
アレルギー性鼻炎のレーザー治療の流れ
アレルギー性鼻炎のレーザー治療は、鼻炎の症状が出ていない時期(花粉症であれば5~12月)に治療をおすすめします。
また、日帰りの手術になりますので、入院などの必要はありません。
- 問診と検査
レーザー治療を行う必要があるのか、またいつ行うのかを相談して決定します。鼻炎がアレルギーによるものなのかも判断する必要があるため、アレルギー検査も実施します。 - レーザー治療
- 約15分間、麻酔薬のしみ込んだガーゼを鼻の中に入れ、鼻の粘膜に麻酔薬を投与します。
- 鼻の粘膜の表面に炭酸ガスレーザーを照射します。両鼻でおおむね5分程度の時間がかかります。
- 治療後
- 基本的には、ガーゼを詰めたりはせずに帰宅していただけます。
- 1~2週間後にご予約を取っていただき、鼻の状態の診察を行います。
治療後にご注意いただきたいこと
- 術後の1日は飲酒や入浴などは控えるようにしてください。
- プールも2週間は控えてください。
- レーザー治療後1~2週間は鼻の粘膜が腫れ、鼻水や鼻づまりの症状が現れるので、お薬を服用してください。
アレルギー性鼻炎のレーザー治療の効果
アレルギー性鼻炎の治療の効果は個人差がありますが、特に鼻づまりがつらい方には効果が見られやすく、アレルギー性鼻炎の症状である鼻水やくしゃみの解消にも効果が期待されます。
アレルギー性鼻炎の根治をする治療ではなく、症状を起こりにくくする治療のため、時間経過とともに効果は薄れますが、繰り返し行うことで効果は増していく症例が多いです。
アレルギー性鼻炎のレーザー治療でよくある質問
アレルギー性鼻炎のレーザー治療の費用はどれくらいかかりますか?
レーザー治療は保険適用が認められていますので、費用は3割負担で両側の鼻腔にレーザー照射を行った場合で約10,000円です。
その他、事前に診察、検査が必要になりますので、3,000~5,000円程度別途必要になります。
アレルギー性鼻炎のレーザー治療の治療期間って長いの?
レーザー治療の効果は永続的ではありません。個人差はありますが、1回の治療で半年~1年間持続するため、症状が出始める前に治療を行うことをおすすめします。
また、何度も繰り返すことで持続効果が伸びることも期待されています。
薬の服用とレーザー治療はどちらがいいのですか?
一概に「どちらが良い」と決めることはできませんが一人ひとりのライフスタイルや体質、年齢などそれぞれの状況に合わせた治療を提案するようにしています。
例えば、抗アレルギー薬の服用であれば、手軽に症状を抑えることができ、基本的に年齢を問わないことがメリットですが、人によっては副作用が出やすい場合もあります。
またレーザー治療では、1回の治療で1シーズンは効果が持続され、症状の軽減につながることはメリットですが、薬に比べると1回の治療費が高いことや、お子さんの場合手術中に動いてしまい、鼻腔内のケガにつながる可能性があるため、年齢によって実施できないという制限があります。
また症状がひどい場合には、薬の服用とレーザー治療を併用することもあるため、耳鼻科医に相談することをおすすめします。