アスリートのための花粉症対策:ドーピングと副作用の落とし穴
2026.02.14

春のシーズン、多くのアスリートを悩ませる花粉症。しかし、スポーツ選手にとっての薬選びは、一般の方以上に慎重さが求められます。「うっかりドーピング」を防ぎ、かつベストパフォーマンスを維持するための注意点をまとめました。
1. ドーピングの「落とし穴」:ディレグラと漢方薬
最も警戒すべきは、知らずに禁止物質を摂取してしまうことです。
- ディレグラ配合錠の禁忌: 鼻詰まりに強力な効果を発揮する「ディレグラ」は、アスリートにとって非常に危険な薬です。成分に含まれるプソイドエフェドリンが、競技会時に禁止される「興奮薬」に該当するためです。
- 漢方薬のリスク: 「自然由来だから安心」という思い込みは禁物です。例えば、鼻炎によく用いられる「小青竜湯(しょうせいりゅうとう)」や「葛根湯」には、禁止物質であるエフェドリンを含む「麻黄(マオウ)」が配合されています。漢方薬を服用する場合も、必ず医師に確認してください。
2.「眠気」が招くパフォーマンス低下と事故
薬の副作用、特に「眠気」は競技成績だけでなく、日常生活の安全性にも関わります。
- インペアード・パフォーマンス: 眠気を感じていなくても、脳の機能が低下し、集中力や判断力が鈍ることがあります。これはコンマ数秒を競う競技において致命的です。
- 運転や機械操作への影響: 遠征先への車移動や、機材の調整などを行う選手にとって、副作用によるふらつきや集中欠如は事故に直結します。処方を受ける際は、必ず「車の運転をする」「高い集中力が必要である」旨を医師に伝えてください。
3. 診断の重要性:それは本当に花粉症か?
鼻水が出ているからといって、すべてがアレルギー性鼻炎(花粉症)とは限りません。
- 鼻水の「性情」をチェック: さらさらとした水のような鼻水は典型的な花粉症の症状ですが、「粘っこい鼻水(膿性鼻漏)」が多い場合は注意が必要です。
- 急性鼻炎(風邪)や副鼻腔炎の混在: 粘り気がある場合、細菌感染による急性鼻炎や副鼻腔炎が併発している可能性があります。これらは治療法が全く異なるため、自己判断で抗ヒスタミン薬を飲み続けるのではなく、内視鏡検査等で鼻内の状態を正確に把握することが、早期回復への近道です。
まとめ:アスリートの賢い選択
- 成分確認の徹底: ディレグラや麻黄を含む漢方は避ける。
- 非鎮静性薬の選択: パフォーマンス維持と安全運転のため、脳に影響の少ない薬剤を選ぶ。
- 専門医による診断: 鼻水の変化を見極め、適切な治療(局所ステロイドや抗生剤の検討)を行う。
ドーピング規定は毎年更新されます。常に最新の禁止物質リストを確認する習慣をつけ、薬の服用は医師の診断の上行うようにしましょう。